買い物が徒歩圏内で完結しそうな引っ越し先候補として「川崎」に行ってきました
偵察です
川崎駅は 西松屋 川崎ルフロン店 から徒歩2分(フロア移動含まず)です
いきなり結論から
いつものチェックリストによる評価結果は下記の通り
分類 | 項目 | セン北 評価 |
川崎 評価 |
備考(川崎) |
---|---|---|---|---|
買い物 | スーパーマーケットの種類・件数は十分か | ○ | ○ | 三和、ライフほか |
物価は十分安いか | ○ | ○ | 激安ではない | |
猫用品は手に入るか | ○ | ○ | 駅周辺にあり | |
不足する店舗はないか | ◎ | ○ | 商業施設充実 | |
行きたい店舗間を徒歩でまわれるか | ○ | △ | 店舗間遠し、信号分断多し | |
グルメ | おひとりさま向け飲食店は十分か | ○ | ○ | チェーン店中心 |
カフェ・喫茶店はあるか | ○ | ○ | そこそこある | |
行列のできるような穴場的名店があるか | △ | △ | 少なめ | |
住居 | おひとりさま向け賃貸は十分安いか | △ | ○ | 安いが狭い |
猫可の物件の数は十分か | ○ | ○ | それなりにある | |
駅徒歩10分以内の物件は十分か | ○ | ○ | 駅チカ物件は狭い | |
必須住宅設備がある物件の数は十分か | ○ | ○ | ||
ほしい住宅設備がある物件の数は十分か | △ | ○ | ||
近くにコインランドリーがあるか | △ | ○ | 分散してるが数件あり | |
環境 | 公園などが近くにあるか | ○ | ○ | 遠いけど南河原公園 |
近くにジョギングコースを確保できるか | ◎ | △ | 多摩川は走りにくい | |
災害リスクは低いか | ○ | ✕ | 地震、水害リスク高し | |
移動が困難なほど混雑しないか | ○ | ○ | ||
新規開店が活発で飽きにくそうか | ○ | ○ |
災害なんて起きないでしょうと言われればそれまでですが
川崎駅周辺は災害に脆弱過ぎます
他にも懸念がありセミリタイアの引っ越し先としてはナシでしょう
商業施設は充実しているが・・・
川崎駅周辺は大きな商業施設がいくつもあります
これだけあると必要な店舗はほぼあり
例えばスーパーはラゾーナの三和が比較的安く一番人気で、ルフロンのライフ、業務スーパーなど安めのスーパーから、成城石井、北野エースなどの高級路線のものもあります
飲食店はほぼチェーン店中心で、あまり個性的なお店はありません
ただ、モナリザンというイタリア料理店はすごい行列ができていたので人気があるようです
地下街のアゼリアにある「グルメッセ」はほぼチェーン店ながらちょっと珍しい店が多く結構にぎわってたので、おひとりさまの外食でも楽しめるかもしれません
ペット用品も駅周辺で数件店舗があるため、猫フードの調達なども困らなそうでした
コインランドリーは駅から少し離れたところなら数件ありました
ただ、これら商業施設の間の距離が物理的にも心理的にも長くて遠い!
歩道を分断する車道が多く何度も信号待ちをするので回りづらいです
歩行者を優先した区画整理をしきれておらず、回遊性が損なわれています
ジョギングコースは多摩川がある・・・そう思っていました
買い物環境は回りづらさから微妙でも、川崎駅にはすぐ近くに多摩川がある!
⋯そう思っていたのですが、ジョギングコースとしてはちょっと問題がありました
多摩川は川崎駅の東側にあるのですが、この東側は環境がよくありません
ポイ捨てや不法投棄、落書きだらけで汚い!
多摩川の河川敷も車道で分断されており、迂回しないと川沿いを走れないので不便です
この有り様なので多摩川沿いに日よけとなるような街路樹が整備されていることもなく、夏場は日光がダイレクトに当たってしんどいです
川崎駅の東側はとにかく注意・警告・禁止系の看板が多いです
それはすなわち、それだけ守らない人が多いということでしょう
言われないとわからないのは心が汚れていると言わざるを得ません
こんな環境で私はランニングしたくはないですね⋯
代替地として駅の北側に「南河原公園」があるのですが、こちらは少し遠いので使いにくそうでした
安い賃貸物件は多いが狭い!
猫飼育可の川崎駅徒歩10分以内の賃貸を探すと 40 件と結構ありました
家賃は安いのですが⋯やたら狭い物件ばかりです
結局、猫用にそれなりの広さにしようと思うと特に安くもない家賃になるので微妙ですね
「飲む・打つ・買う」三拍子の街は生活拠点には向いてない
川崎駅周辺は地盤が弱く地震リスクが高く、さらに多摩川の氾濫による水害リスクも高いです
もうこれだけで立地的にセミリタイア生活拠点としてはおすすめできないのですが⋯
それに加えて、ポイ捨て・落書き・ルール無視がひどい!
小学生に標語にされて指摘されるくらい心がよごれています
駅の東側がひどいだけで、他はそれほどひどくないという人もいるとは思います
ただ、歩行者を優先した動線整備ができていないのを見るに、この街は生活者の目線が欠けているのではないかと疑われます
「飲む・打つ・買う」の三拍子がそろった川崎駅周辺で、
なぜ「ラ チッタデッラ」みたいなイタリアのヒルタウンをモチーフとした商業施設を作ったんでしょうか?
パチンコ店、競馬場、競輪場、風俗店、居酒屋みたいな店や「銀柳」、「銀座」の冠のついた商店街の脇にこういった建物があっても、全体に調和せず完全に浮きますよね?
イメージを塗り替えるために個別の商業施設の外観でごまかすより先に、街全体で歩行者優先の回遊性を確保するとか、街路樹やプランターを充実させるとか、もっと先にやるべきことがあるんじゃないでしょうか?
同じ神奈川県内で ひねくれ者 が高評価をつけた、 センター北・南駅周辺の都市コンセプト の一節を見てみます
都心性と自然性がひとつになった⋯人にやさしい快適都市空間「タウンセンター」
■ 回遊分散型の歩行者ネットワーク
タウンセンターの歩行者ネットワークは、従来の都市に見られるような駅前集中型
ではなく、街の広がりを形成する回遊分散型を採用しています。
歩行者が歩きやすい動線計画を基本に「都市軸(シンボル軸)」、「回遊軸(買物軸)」にわけて、
道路のネットワーク化を図っています。
都市軸と回遊軸の結束点には、「シンボル広場」を配置しています。
港北ニュータウンの歩行者空間の整備にあたっては、旧来の貴重な緑の資源を、緑連や
歩行者専用道路と結び付けながら体系化する「グリーンマトリックスシステム」を採用。
タウンセンター内の総合公園がその拠点になっています。
川崎駅周辺に足りないのはこういうことです
これまでいろいろな街を偵察してきましたが、センター北、高円寺、辻堂などの高評価の街と、豊洲、町田、川崎などの低評価の街のそれぞれに共通点が浮かび上がってきました
高評価の街には「高層の建物が少なく」低評価の街には「タワマンなどの高層の建物が多い」点です
高層の建物がある場合、容積率の規制から周囲に幅の広い道路がなければいけません
そうすると広い道路が目的地への距離を伸ばし、車の通行によって歩道を分断し、信号待ちによって回遊性を損ないます
また、高層の建物は格調高いイメージを保つため、100均とか生活直結店舗ではなく、意識高いアパレルなどがテナントに選ばれやすいですし、テナントスペースもゆったりと余裕をもったものになりがちです
そのことでますます商業施設の集積度が下がり、買い物のために移動する距離を伸ばします
ずばり高層の建物が多くある街は買い物徒歩圏完結の生活拠点には向いてないと思います
左の写真は川崎ルフロンの側面の道路で、右の写真はセンター北のノースポートモールの側面です
左は目を引くものが何もありません
ただ目的地に向かって移動するだけの場所になっています
右はテナントの看板、大きくあいた窓ガラスから行き交う買い物客の姿、網状の構造物など、目を引く要素が多くあります
どちらが周囲を歩いていて楽しいかは一目瞭然です
⋯それが店舗間の移動の心理的な距離感にも影響するんです
今のチェックリストでは上記のような部分が評価されないので項目の見直しの必要があるかもしれません