ひねくれ者 40代 3000万円でセミリタイア

ひねくれ者なので脱サラしてセミリタイアを目指しています

日本の SE、SIer はダメです

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前回の記事でさらっと「SIer 案件は総じて地雷率が上がります」と書きました

いつもなら「ひねくれ思考」のカテゴリに入る類の話ですが、プログラマー界隈では有名な話なので今回はつきません!

こんな致命的な不具合を作りこんだ日本の SIer がなぜ地雷なのか説明したいと思います

SIer の問題点

いわゆる日本の SIer がダメなところはこんなところです

  • システムの全体構成、業務フローを決める裁量を握っているのが IT の素人

端的に一番ダメなのはここです

効率的な業務フローを検討したり、コンピューターの得意・苦手、性能・信頼性対策、セキュリティ対策に対する知識などがほとんどないような人が、システム全体の方針や要件を決めているというとんでもないことをやっています

SIerシステム開発では、一番偉く全体を決める権限を持っているのは顧客側の責任者です
それは開発費用が顧客から SIer に支払われ、お金を払っている側の立場が強くなるためです
上記のような専門知識がないからこそ、顧客は SIer に依頼するので、当然全体を決める顧客側責任者は素人です

だからマイナンバーカードによる住民票発行申請IDを、年月日時分秒のタイムスタンプにし、同時に申請が発生した場合に「ID重複で他人の住民票が発行されてしまう 」という恥ずかしい不具合を本番システムで引き起こしてしまったんです

  • 効率とは無関係に開発期間が長く、開発人員が多いほど売り上げが上がる

SIerシステム開発は、期間が長く、開発人員が多ければ多いほど、原価に対する売り上げが大きくなります

そして、顧客は IT の素人なので、SIer 側が無駄に長期間・大規模人員のシステム開発を進めていても、その非効率・不合理に気づくことはありません

利益を最大化するインセンティブが働くため、SIer は顧客をだませるギリギリのところまで、無駄に期間が長く、技術力の低い単価の安いエンジニアを大量にそろえて大規模ですごそうな開発を行おうとします

そのため SIer の開発現場で働いても、効率的な開発手法が身につくことはありませんし、顧客に大量のプログラマーが働く様子を見せて頑張ってる感を演出することもできないので、コロナ渦という特別な免罪符でもない限り、リモートワークは許可されにくいでしょう

SIer はどうしてダメなのか

日本の SIer によるシステム開発はどうしてこんな問題が発生するのでしょうか?

⋯そもそもまるっとシステム開発全体を受注する SIer があるのは日本だけなんです

海外では、事業会社自ら IT の専門家を直接雇用し、内部に必要な人員を抱えてシステム開発を進めるのが一般的です
外部の企業に開発全体を委託するなんてことはなく、委託するとしても一部の高度な専門知識が必要な部分だけ担当してもらい、開発全体は事業会社自身が進めることがほとんどです

開発全体の指揮をとる責任者は当然 IT の専門家が担当しますし、開発期間の長さや開発人員の人数ではなく、システム導入によってもたらされたビジネス上の利益そのもので評価されます
ビジネスの世界ではより早く、安い原価でサービスを提供した方が成功するため、SIer とは逆に、短納期、小規模人員で効率的なシステム開発をするインセンティブが働くわけです

SIer に発注、という開発形式自体が非効率でダメなんです

日本ではなんで SIer が開発するのか

ダメなことが明らかなのに、なんで日本では SIer によるシステム開発が主流になっているのでしょうか?

それは日本が海外とは違い、仕事に合わせて人材を雇用するのではなく、人材に合わせて仕事を作るからです

海外ではシステム開発が必要になったら専門家を雇用しますが、システム開発が終わり不要になったらその人を解雇します
日本ではシステム開発が必要になり専門家を雇用しても、システム開発が終わり不要になったらその専門家を別の部署や職場に配置転換します

こういう話をすると海外の人がかわいそう、と思うかもしれません
厳しいことを言うようですが、ビジネス上の利益を考えたら海外の方が効率的で正しいです

日本のようなやり方をした場合、IT の専門家を雇用するよりも、どんな職場に配置転換してもそつなくこなせるジェネラリストを雇用せざるを得なくなります
そうすると、システム開発の責任者は、つぶしが効くジェネラリストだが、IT はさわりの部分だけしか知らない素人に担当させ、実際のシステム開発SIer に丸投げする、という方式がマッチすることになります

これによりダメな SIer が、今なお日本のシステム開発の主流であり続けているわけです

SIer は避けるべき

海外の事業会社ではメタバースが流行ればメタバースの専門家を雇い、メタバースを使っても成功しないと思ったらメタバースの専門家を解雇します
メタバースより AI だとなれば、また AI の専門家を雇います
だから日本より最先端の技術をいち早く取り入れて、より安価に、真っ先に先行者利益を獲得できるわけです

日本の事業会社では専門的すぎる人材は原価リスクになるので、雇用するにしてもせいぜい IT 全般に強そうな専門家どまりです
だから海外の事業会社との最先端の技術競争に負けます

こうなる理由は、日本人の価値観が海外に比べ母性が強すぎるからです
島国で外敵の少ない農耕社会、「和を以て貴しとなす」の価値観が長らく育まれてきたからでしょうか
アメリカの開拓者精神等、父性優位の価値観とは真逆なのでこうなったのではないでしょうか

誤解してほしくないのは、日本人的な価値観が何でもダメなわけではなく、システム開発という分野においてはダメというだけです
分野によっては欧米などよりも日本の方がいいことだっていくらでもあります