⚠️注意:この記事には一般的なモノの考え方とはかけ離れたひねくれ思考が含まれています
以前自分の性格を、未来を予測可能な範囲に収めようとするあまり、頭の中が不確実な情報であふれ、右往左往することがあると紹介しました
今はできる限り未来ではなく、現在に焦点を合わせるようにしています
現在に焦点を合わせるといっても、全く未来を予測しない、というわけではありません
現在わかっていることだけで判断するようにし、できる限りこれから起こるかもしれないことを検討しないようにする、という意味です
どうしてそうした方がよいと考えるようになったか?⋯論理的に説明するのは難しいです
どちらかというと経験から得た教訓、ヒューリスティックといった類のものになります
未来に起こるかもしれないこと、それを予測し先回りで行動することには弊害があります
まず、予測した物事が発生する確率は100%ではなく、はずれることもある上に、往々にしてその発生確率を正確に見積もることは難しいです
完璧な対策を考えるなら、当たった場合、はずれた場合のどちらの場合も対応策を用意しなければなりません
しかし、人間の持てる注意力、思考力、体力、時間、経済力などの各種資源は無限ではなく、使えるコストに限界があるため、起こりうるすべての分岐に応じた対応策を用意するのは無理があります
正確に見積もった発生確率に応じて、限られた資源を適切に配分すれば最も最適化された予測、対応が理論上はできるかもしれません
でも、そんなことは可能だと思いますか?⋯私には無理です
また、起こりうる物事に対処する上での最大の変数に、関連する他人があります
期待する結果をもたらすことに必要なものが自分だけで完結しない場合、これら関連する人々に協力してもらえるよう説得しなければなりません
ただでさえ他人を説得して協力してもらうことは難しいのに、まだ現時点では起こっていない物事を根拠にしてです
まだ起きてもいない未来を根拠にして、周囲への無理な説得、勧誘、協力依頼を続けた場合、同僚、家族、ご近所さんといった本来は「仲間同士」である集団の中で摩擦を生み、敵・味方の分裂を作り出してしまうこともあります
それは起きる・起きないという永遠に結論の出ない議論を繰り返すことになったり、賛同しないというだけで(他にいいところがある人でも)「敵」とみなしたくなるからです
もし、現在起こっていることだけを根拠にした場合、起きる・起きないの議論は起きず、価値観のすり合わせだけになるでしょう
それだけでもだいぶお互いが納得のいく結論に近づけるのではないでしょうか?
もう少しセミリタイアになじみのある例を考えてみます
それはアクティブ投資とインデックス投資です
アクティブ投資は人間が未来の株価を予測し、それに応じた投資を行う手法です
それに対し、インデックス投資は現在の指標に応じて機械的に投資を行う手法です
理論上は、起こりうる未来を予測できそうなプロのファンドマネージャーが運用する、アクティブ投資の方が成績はずっとよくなるはずです
では、実際はどうなるか?
プロのファンドマネージャーが運用するアクティブファンドの大多数が、ただ機械的に現在指標に連動するだけのインデックスファンドより高い成績を出すことに失敗しています
⋯にも関わらず、ファンドマネージャーがあれこれと大勢の投資家の投資行動を予測したり、その揺れ動く予測に応じた売買で頻繁にかかる税金などの消費コストをまかなうため、インデックスファンドより高い手数料がかかります
まさにこれが、私が考えるこれから起こるかもしれないことを検討することの弊害です
現在起きていること、その足元をしっかり見て、確実な情報をもとに判断した方が、結果的にうまくいきやすいと思う根拠、教訓はここから来ています
起こっていない未来を考え始めると、現在起きていることに注意が向かなくなり、コストを無駄に消費するリスクもあります
そして、現在のリスク資産をほぼ信託報酬の低い S&P500 インデックス投信にしている理由もここにあります
現在一番パフォーマンスの高いインデックス投信が S&P500 だからです